家具金物から住宅品への転換
年号が昭和から平成になり1990年代に入ると、住宅事情に大きな変化が訪れました。嫁入り道具に桐ダンスが必須品でなくなるなど、住宅の収納は家具から建て付けの時代へと突入。中尾製作所も柔軟な姿勢で時流に対応する必要に迫られました。そんな状況の中、1990年頃から扉の建付けを蝶番側で左右上下に調整できる住宅扉用の「3次元蝶番」の生産をスタートさせます。取引商社から技術力を見込まれ、世の中のニーズを反映した商社のアイデアを受けて中尾製作所が実現させた商品です。この商品での手応えなどもあり、本格的に住宅建具用の商品開発・生産へと舵を切りました。蝶番やドアノブだけではなく、引き戸関係の商品開発にも力を入れ、社会の要望に応えていきました。
また、グローバル化の世情を受けて、業界で初めて中国へ進出したのも1990年代です。1991年に中国山東省に合弁企業を設立したのを皮切りに、上海でも企業展開を始めました。中国の大手デベロッパーに採用されるなど、販路が広がるにつれてnakaoの品質の高さは中国で注目されるようになります。
中尾製作所の歩み
1989(平成元)年 |
雲出工場を増築。大手電機メーカーの協力工場を始める。 |
1990(平成2)年 |
住宅ドア用調整蝶番の開発・生産を開始。この頃から、家具金物より建具金物へ本格的に移行する。 |
1991(平成3)年 |
中国山東省に合弁企業(海陽中尾五金有限公司)を設立。 |
1995(平成7)年 |
中国上海に独資の商社(上海中尾商貿公司)を設立。 |
1996(平成8)年 |
中国上海に合弁企業(上海中尾五金有限公司)設立。 |
社会の動き
1989(平成元)年 |
消費税の開始 ベルリンの壁崩壊 |
1991(平成3)年 |
バブル経済の崩壊 湾岸戦争が勃発 ソ連崩壊 |
1993(平成5)年 |
Jリーグが開幕 |
1995(平成7)年 |
阪神淡路大震災 地下鉄サリン事件 |
1997(平成9)年 |
消費税が5%になる 京都議定書の採択 |
1998(平成10)年 |
長野オリンピック開催 |